とても白けた高校の卒業式

高校の卒業式。今から17年前になる。

とても白けた思い出がある。

同じクラスのある女子生徒が化粧をしてきたのだ。

高校の最後の日ということで、ここぞとばかりに。

普段の彼女はクラス内では、かなり目立ちたがり屋のハイテンションな女子生徒だった。

僕は別にその子の事が好きだった、というわけではない。

むしろ苦手な方だった。そのテンションの高さが鬱陶しかった。

そんな彼女が高校の卒業式の日にびっちり化粧をしてきた。

それを見て僕はとても白けたのを覚えている。

こいつは何を張り切っているんだ。

僕は、一刻も早く帰りたい、と思っているのに。

卒業式、ということで生徒の親も参加した。僕は母親が来てくれた。

僕を含めてクラスのみんなは親の見ている手前、しおらしくおとなしくしていたが、その女子生徒は一人で騒いでいた。

デリカシーのない女だな、と思った。

僕の高校では、3年生は三学期はほとんど学校には来ない。卒業式のために一か月ぶりくらいに登校する。凄く面倒だったのを覚えている。進路が決まった時点で高校への気持ちは切れていたのだ。

ただでさえ、こっちはかったるいなと思っているのに、その出しゃばり女は「一人一人、教室の教壇の前に立って挨拶しよう」「みんなで円陣を組もう」と一々余計な事をしていた。

あきれたことに、彼女は「私が楽しいと思っていることは、みんなも楽しいと思っている」と信じ切っていた。

同じ「卒業式」なのに、僕と彼女ではこうも捉え方が違うのかとうんざりした。

帰り路。ほぼ無心で家まで帰った。心は空っぽだった。みんなと別れるからではない。とても白けていたのを覚えている。