アジア系技能実習生 その3

僕は自動車部品製造の工場に勤めている。

先日、朝礼で課長から全職員に対して「2月分の生産性が落ちている」と注意を受けた。先月の1時間当たりの生産量がガタ落ちという。

僕の工場では、生産者(労働者)が部品を自動溶接機にセットして、溶接し終えた製品を生産者が目視点検して、問題がなければパレットの積んでいくという手順を踏んでいる。

製品にもよるが、一人当たり平均1時間60個作れる計算にはなっているが、2月分は50~55ぐらいしか作れていないらしい。

課長は生産性が落ちている原因を、生産者達の仕事のやり方に問題がある、とみていた。

セットの仕方、目視点検の仕方が人によってバラバラなのだ。素早く効率よく行っている人のやり方を参考にしよう、ということになった。

課長がビデオカメラやストップウォッチで一人一人の作業スピードを記録していった。で、最優良モデルに選ばれたのがベトナム人労働者のやり方だった。

職場には現在ベトナム人労働者が4名いる。みんな20代だ。そのうちの1人の作業方法、セットの仕方、目視点検の仕方がベストと会社内で判断された。

さっそくみんな会議室に集まって上映会をした。カメラで録画していた動画をチェックだ。ベトナム人の作業方法をみんなで研究した。

結果判明したのは、そのベトナム人は手先がとても器用で無駄がない動きをしていた。例えば日本人が右手で一個一個部品をセットする箇所でも、彼は器用に両手を使って作業していた。目視点検でも効率よく素早い動作をしていた。

で、彼の真似をしようとしたが、僕を含めて日本人は誰一人真似が出来なかった。両手を使うのは無理だった。改善できる部分はあったが、彼らベトナム人のほうが効率よく素早く作業をしていた。

本来ならば日本人が彼らベトナム人に仕事を教えていかなければならないが、いつの間にか立場が変わりつつある。これからは我々日本人は彼らベトナム人から学んでいかなければならない。