人材不足のため、とりあえず各ラインの効率性を調査することになった。

僕は自動車部品工場に勤めている。

その工場で、今、人材不足に悩まされている。

立地条件や少子化の影響なのか、新入社員が集まらない。関連会社の社員やアジア系の技能実習生などで人材を確保している状態だ。

僕の担当しているラインは今まで日勤夜勤共に2名ずつ合計4名で生産していたが、異動や退社などの影響で昼間2名、夜勤1名で生産している状態だ。

表明的には、たかが1名減っているだけに見えるが事態はそんな単純ではない。4人から3人になったので、そのまま生産数が4分の1減少しまったのだ。

オーダー数はそのままで人材が減っている。結果、各個人の残業時間が増えた。連日3時間の残業は当たり前、休日出勤も常態化しつつある。

そこで、現状を整理し打破するため、とりあえず各ラインの効率性を調査することになった。1時間当たり何個生産出来るのか、というものだ。

最新式のライン工場ならば、「1時間あたりの生産数」が電工掲示板に表示され、それを見てライン長や各社員はペースを上げたりするものだが、僕の勤めている工場は設備がとても古くて、(80年代ぐらいの機械を使用している)そんな便利な物はないし、導入する資金もない。

そこで1時間当たりの生産数を紙に(いらないコピー用紙)に直接ボールペンで記入していく、というアナログな方法が導入された。調査の結果、僕のラインは2人で製品を生産した場合は1時間あたり80個前後生産できるということが判明した。

驚きなのが、そういった効率性を調査することをこれまで表立って会社が公式に調査したことがなかった、ということだ。日々の経験のなかで、社員が何となく把握していたに過ぎなかったのだ。

それまでは人材が沢山いたので、生産数が計画書から多少遅れていても「人材ゴリ押し作戦」で挽回出来たが、今はそれが出来ない。人材そのものがいないからだ。

これからは1分1秒を争う効率の良い働きが求められる。各個人の仕事量が増え、残業することが当たり前になり週末は疲労困憊してしまう。人がいなくなったことで職場がよりシビアになり、緊張感が生まれた。